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くろいぶろぐ

千葉県辺りで同人誌とか描いてる黒井ちゃっこのどうでもいい事す
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断片反芻「黒の址」 

公園沿いの桜は、雨に濡れ輝いて
それは足を止めるのに十分な理由だった
脇を通り過ぎる車のヘッドライトが、時折木々を眩しく映し出し
一瞬、脳裏と網膜に反転した桜が焼きつく

季節はもう4月だった
あれからまだ10ヶ月しか経っていないのかと、そう思うと複雑な気分になる
勿論4月だからといって浮かる気分ではないし、あの頃よりかは少しだけマシになった精神状態も
そんな季節の移り変わりを重ねる毎に薄れるのかと思うと酷く嫌になる
だからあの時の約束は絶対に忘れない、守り続ける
守れなかったあいつの為に、何も出来なかった自分の戒めに

―――ただ、綺麗だなと思った
そういえばあいつは桜を見た事があるのだろうか
施設にでも植えてあったら見れていたかも知れないけど
大方あの小さい部屋に隔離されて外出する事なんて出来なかっただろう

ふつふつと怒りが湧き上がってくる
その矛先は次第に自分へと向かう
何故、あの時救えなかったのだろう
いやそんな事を思うのもおこがましい
自分には何の力も無かったし、状況を脱する何かを持ちえていた訳でも無い
見ている事しか出来なかった
血塗れで、冷たくなる体を抱きしめて絶望するしかなかった
微笑んで頬に触れてくれた指の感触を思い出す
呼びかけても呼びかけても返事を返さないあいつを

本当にただ、抱きしめるしか出来なかった

10ヶ月経った今でも感触すら鮮明に思い出す
この組織に身を置いてから色々な事があって、これからも様々な事が起こるのだろう
今は違うはずだ
あの頃の、無力感に苛まれていた自分ではないはずだ。

誰も居ない公園をただ歩く
点々と灯る常夜灯があの頃と変わらない姿のままそこに在る
東屋のベンチに腰を下ろすと、視野には桜の木々が広がる
霧雨が穏やかに体を包むと月が朧げに姿を現した
俺は中空に手を伸ばし掴める筈の無いソレを納める

―――びゅうと風が凪いだ
雲が薄くなる、この調子なら明日は晴れるか
目を閉じると瞼の裏から暖かな光が薄く届く
大きく息を吸いこみ、吐き出す
少しだけの逡巡

ベンチから腰をあげると目の前に一枚の花弁が流れてきた
それを無意識に掌に乗せた
いつか絶対に桜を見せよう
そしたらあいつは子犬みたいに喜ぶだろうな
コートのポケットにそれを仕舞い歩き出す

4月の夜
黒の址
遠くでカラスの鳴声が聞こえた
 
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ショートショート「待ち合わせの間」 

うう、寒い
もう四十分も待ってるのに、ヤツは一体どういうつもりなんだ
そもそも待ち合わせの度に毎度毎度遅刻してくるヤツなんてあいつくらいだ
寒風吹き荒ぶ1月6日
出来るだけ早いうちに初詣に行きたいと言い出してから、何だかんだと6日が過ぎ
あいつの誘いを待っていた私は、痺れを切らして自分から誘ってしまった
今が華、4月には高校二年
そんな新年だ
大体行きたいと言ったのはあっちなのに、なんでこっちから誘ってしまったんだ
あの時の私め
駅前の階段、その脇にあるベンチで私は今か今かと体を震わせながら待ち続けている
勿論この寒いのに座ってなんかいられない
出来るだけ陽光の射し当たる所でポケットに手を突っ込み、足踏みをしながらきょろきょろと辺りを見回している

なるほど
6日ともなると駅前はそれなりに人の往来があり、車も走る
明日になれば仕事始めが待っている社会人の皆様方は、本日を120%満喫しようとでもいうのか
妙齢の方から耳元が寒々しいフレッシュマンが奥様、あるいは彼女を連れどんどん目の前を通り過ぎていく
別に悔しくなんか無いけれど、駅前を一人で待ち続けるのはひどく心細いものだ
誰かを待つのがそれほど好きではない私がよくもまあ、あいつを律儀に待っているものだ
我ながら感心してしまう
時刻は12:50
さて、待ち合わせは12時きっかりのはずだったのだが
一向に来る気配が無い
携帯電話の一つも持っていればいいのだけど、生憎持ちえていない私は
近頃めっきり姿を消してしまった公衆電話を探す事にした。

 まったく、文明というのは便利になるだけなって
それについてこない人間に対しては非常に冷酷な物なんだな
年配の方やそういうのが嫌いな私に対して喧嘩を売っているとしか思えない
ぶつぶつと、ようやっと見つけた公衆電話に入る。
駅前から少し離れてしまったが、あるだけ良かったと思うしかない
電話ボックスの中は心なしか暖かく感じ、ポケットから出した手がじんわりと熱を持っていく。
カバンからアドレス帳を取り出しそれほど乗っていない住所録から
今も尚絶賛遅刻中の遅刻魔人 遠薙瑞樹を探し電話をかける。

公衆電話にもいくつか種類、というか緑色と灰色の筐体の2つがあって
今かけてるのは緑色の古いタイプの電話だ
個人的には緑色のヤツが一番好きなのだけど、灰色のちょっとハイテクなのも琴線に触れてしまう。
なんたってあの音声を大きく出来る機能が素晴らしいし、画面に通話可能時間の概要が表示されるのも親切だ
灰色の電話が出来てすぐ、私はそれが使えなかったのだが
その多機能さに感激したものだ。

しかしながら、私の友人の一人は携帯電話持てばいつでも電話できるんだよ
明日の用事とか全然わかるんだよ!と言って聞かない
私にとっては用向きが無ければ電話などしないし、それを常時携帯するというのは考えられない
それでさえ私達は学生だ、土日を除けば翌日会える
大切な用事ならばこそ対面で言うべきだし、それを取り次ぐ為の手段としての電話ではないだろうか。
気軽にヒマだから電話をする、というのは全く持って理解できない。
ましてやメール等に絵文字なんて有り得ない
接頭接尾、至る所に可愛らしい猫や動物の絵文字を入れ
文字と記号を組み合わせては一字とする、一種暗号めいた組み合わせの文字列で私達の年代は意思表示の一つとして用いている
君らは何だ、警察の暗号試験でもやっているのか
友人のメールを興味本位で見せてもらったが、その時は猛省した
しかも男からのメールだ、全く持って頭痛と吐き気を催す。

一昔前のポケベルだって我が姉様は「面倒臭い!」と放り投げていたし
私にも幾ばくかその血液が流れているのだろう

さて、3回目の留守番電話に繋がった
前二回はメッセージを入れる前に切ってしまったが、今回は入れてみようと思う。
「ピーという発信音の後にメッセージを入れてください ピ―――
私だ、今日の予定は一体何時だったか覚えているか?待っているから早く来い」
必要な事だけでいい、それで分かるのだから。
ガチャと受話器を置き、冷え切った指先を温める
扉に手をかけ電話ボックスを出る。
時刻は13:04
徐々に日が落ちていく最中の、まだぎりぎり暖かい時間
これがあと3時間も経ったら寒くて私は動けなくなる
相変わらず強めの風が吹く最中
てくてくと駅までマフラーを直し直し向かう
ともすればこんな時間から雪が降りそうな寒々しい気温の中、よくも私をこんなに待たせてくれるものだ
通り過ぎる人々はやっぱり何か楽しそうに見えて、少し悔しい
早く来ないものだろうか、まさか何かあったのではないだろうか
家族の何某かが事故で、瑞樹が付き添いで行ったのかもしれないし
前方不注意のアイツだ、ここに来る途中車にでも撥ねられてしまったかもしれない

・・・非常に心配になってきたぞ
もし仮に良くない事態が起こっていて、ここでぼーっと待っているのは
非常になんだ、その間抜けだ
しかし全く違うかもしれない、ただ単にいつもの遅刻なのかもしれないし
こうやって考えているのが只管に杞憂であるかもしれない
むしろその方が良い

否定と肯定をぐるぐると繰り返していくうちに頭がぼーっとしてきた
まったく、なんでこんなに考えさせるんだ
そもそもあいつから告白してきたってのに、今じゃあ立場が逆転してるのがいやらしい
ぐぬぬ、私の計画がっ
あいつが来て開口一番何を言ってやろうか
恨み辛みを小1時間程隣で言ってやってもいいし
あえて無言で隣を歩くのも良いな
うん、ちょっと楽しくなってきたぞ

曇りと晴れを交互に繰り返し、やがて空から小さくて淡い雪がゆらゆらと落ちてきた
とうとう降ってきたか
そう言っている傍からひらひらとふわふわと、その数を増してきた
私は降り注ぐその一つを掌に乗せる
雪の結晶が見えればいいのに
そう思った矢先、私の体温でそれは融け失せてしまった
「はぁ」
溜息までも白く、往来の人々はいつの間にかその姿を消していた
そしてとうとう私以外誰も居なくなってしまった
待ち合わせはここ、時間は1時間と20分前
深々と降り注ぐ雪でどうしようもなく凍える
帰ろうという気は微塵も無い
だからといってここを動くつもりも無い
もう一度大きく息を吐く
雪と同じくらい白い溜息が漏れる
空を見上げたら鈍い色の青が泣いているように思えてきた

まったく、泣きたいのはこっちなのに。

不意に、遠くで何かが転倒したかのような衝撃音が聞こえる
やれやれ
次いで自転車を起こし、こちらへ走りよって来る影一つ
そんなに急がなくていいのに
クスと笑ってしまう
息を切らせてごめん、なんていう
息継ぎで全く言えてないけど、きっとそう言っているんだな
まったく男のクセに情けないぞ、そんなに急がなくても
私はいつでも待っているのに
瑞樹は呼吸を整えてもう一度「ごめん」とちゃんと目を見て言った
それが嬉しくて、少しこそばゆい
無言のままの私を見て、子犬のような目で私を見てくる
うん、やっぱりいいなこういうの
瑞樹は私の言葉を待っている、多分どう言うかも分かってると思う

―――さあて、なんて言ってやろうかな。
 

原稿 

一応今日渡す原稿があがりました
P1000045.JPG
こんな感じで良かったんでしょうか
圧倒的に画力が足りないのは置いておいて
文次郎×伊作です、似てねえ!

さて、
恥ずかしながら原稿用紙にイラストを描くのが初めてだったので色々手間取りました
トーンを買ってなかったのでカケアミとクロスハッチングやウェザリングで何とか誤魔化し
ベタ塗りもやった事無く、間違った場合
今から試行錯誤しつつやり直すのは時間的にキツイので次回練習の方向で(汗
ひたすら鉛筆で描いた質感が出たら嬉しいなという事で
細い線を要所で使ったり、それだけだとメリハリが無いので
たまに太い線を出したり
Gペンってそういう線の強弱ができるから面白い!
その分難しいのだけど、Gペンで描く事が楽しかったです

あー
数年前に買ったホワイトが役に立ったなぁ
油断してインク付けすぎるとぼたっと落ちちゃうんですよね
いやあ焦った

デジタルの場合ミスをすぐ修正できるのが良い所ですが
やっぱりアナログで描いていく感覚は大切でした
むしろうちのペンタブ、ペン先が安定してないので描き難く
イラストや漫画を描く時は紙に描いてからスキャンしてたので
そういった意味でも極細ボールペンで描くよりか、Gペンを使って線の強弱が出した方が
絵にも面白みがでるんじゃないかなと思いました
PCでの工程は取り込み、修正、色塗りとなるので
下絵から何まで全てPCで作成するような依存の仕方をしてなかったのが幸いかもしれません

一応実家からトレス台を持ってきたんですが使わずに終わってしまいました(汗
っと、もう四時じゃないですか
そろそろ寝ます
おやすみなさいませorz
 

narcolepsy-insomnia 

こんばんは、黒井です
怠惰で惰眠を貪るのが大好きな黒井にしては珍しく
昨日から睡眠をとっていない状態が続いております
いやあ、久しぶりにこんな起きてるなあ
しかも無意味に(汗
先日より、コーヒーを単位時間内に沢山飲み
その反動で眠くない、けれど体はだるいというコンディションが持続中
全く利点が無い!
本日の流れとしては寝れないまま朝→実家へ行き掃除洗濯昼食介護となり
13時前に帰宅
それから寝ればいいのに所用で起き続け18時
そろそろ横になるかなあ、という時に某人からお誘いのメールが来まして
津田沼まで直行
色々話しつつ食事をしつつお酒を飲みつつご馳走になり今に至ります

今日はちゃんと寝よう(汗

あー、人生はベルトコンベアのように流れる!

さくら
降りた駅前に植林してあった桜。
ライトアップされて綺麗でしたので一枚
同じ事を考えたのか、隣の桜でもお姉さんが写真を撮っていたので
一人和んでいました

もう桜の花が咲く季節なんですね

今日見たもの 

■仮面ライダーディケイド8話 ブレイド食堂いらっしゃいませ
http://www.tv-asahi.co.jp/decade/
待ちに待ったブレイド回ですよー
警報と共にBOADの承認云々って回りくどいけど、組織としては常識な流れで
社内にすっごい懐かしい警報音w
脳内にオンドゥルルラギッタンディスカー!が流れる!
今回のブレイド役の鈴木拡樹さん、ギャレン役の成松慶彦さんは
元キャストの椿さんと天野さんに結構雰囲気が似てていい感じでした

でも、でもブレイドがウェーイ!って言わないのが寂しいよー
ライトニングブラスト→(0w0)<ウェーーイ!!じゃないと違和感があります
・・・ブレイドが剣戟の時、あんな効果音しましたっけ?
キャリーン、キャリーン

睦月役の川原一馬さんについてはなんというか、役回りがひどい(汗
まるで仲本工事さんを思い起こします、なんだあのメガネと髪型

各ライダーの変身ポーズは役者の皆さんちゃあんと練習してて好感もてます
橘さん、じゃなくてサクヤさんが異常にオンドルゥってて笑えた
そんな所をボドボドにしなくても
ディケイドがリュウキになったときも(;0M0)<カワッタとか
愛らしい部分が再現されてる・・・w
次いでキバーラ、どうしたの
CGじゃなくて小道具に成り下がっちゃったよ!
沢城さぁん!

Aパートで士が焼き加減云々のくだりは仮面ライダーGを思い出す
ゴローちゃん・・・
また、ユウスケが出てくると凄い癒し空間になるのは自分だけでしょうか
キャラがかわいいなぁ
対比で士が所々意地悪な事してるんでいい清涼剤になってます

Bパートの鎌田との対決で速攻やられるブレイドを見ると懐かしいです
ブレイド最初超弱かったもんなぁ、しみじみ
なんだかんだでライダーバトルをはじめる三人だけど、やっぱりかつぜつが悪い
そういう意味でちゃんと原作再現してて吹く

最後のカリスとブレイドが戦う所は懐かしいんだけど
やっぱり原作の終わり方を考えるとちょっと悲しいかなぁ・・・
あー、もう一度DVDかレンタルでブレイドを最初から見たくなるなー

次回予告で戸田山、もとい轟鬼が出てました
次は響鬼の回なのかな
響鬼も大好きなので次週が楽しみです

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